地図で見るアメリカハンドブック
によって クリスティアン・モンテス
4.2 5つ星のうち(1人の読者)
地図で見るアメリカハンドブック本pdfダウンロード - 内容紹介 120点以上の地図とグラフで描く、世界の最強国アメリカ合衆国のポートレート。2008年の経済危機で深刻な痛手を負った合衆国は、いま根底から変化している時期にあり、世界の競合舞台での国の位置を問いかけている。 人種差別、社会の緊張、武器、肥満「:アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」の裏の顔。 ◆目次◆ はじめに ◉エ・プルリブス・ウヌム? ◉アメリカ合衆国地図 国の誕生と確立 ◉コロンブス発見前のアメリカから独立まで ◉大陸帝国の設立 ◉連邦制度と連邦を形成する州の権利 ◉移民の国─褐色のアメリカへ ◉地方の分断 ◉進む都市化 ◉小さな町の抵抗と「その他のアメリカ」 ◉アメリカ式「ディアスポラ」 大国の矛盾 ◉自由主義とグローバル化 ◉チャンスの国と、移民の選別政策 ◉アグリビジネスと家族経営型農場 ◉労働者の世界は終わり、しかし製造業は別の形で続く ◉知識経済と公共イノベーション ◉消費大国とエネルギー源 ◉水源で高まるプレッシャー ◉リスクの高い国土 アメリカン・ウェイ・オブ・ライフとその裏側 ◉ホーム・スイート・ホーム─個人住宅の理想 ◉車社会─移動の多いアメリカ人 ◉食生活は過剰か欠乏 ◉郊外化と都市の拡大 ◉貧困と不平等 ◉マイノリティと隔離 ◉宗教、アイデンティティのしるし ◉公共スペースと私的スペース ◉アメリカ人のヴァカンス ◉ギャンブルの地理 ◉銃社会─完全武装する国アメリカ ◉社会のテーマ、分断する世論 ◉機能不全におちいった民主主義 アメリカはまだ世界の憧れか? ◉アメリカ文化の価値は下がったのか? ◉国際貿易のリーダー ◉アメリカの軍事組織 ◉同盟と軍事的失敗 ◉アメリカ覇権の見直し ◉メキシコとの関係の中心にある移民問題 ◉キューバとの国交正常化に向かって ◉アラスカは最後のフロンティアか? 付録 ◆参考文献 ◆重要な映画と文学作品 内容(「BOOK」データベースより) 120点以上の地図とグラフで描く、世界最大の強国アメリカ合衆国のポートレート。 著者について クリスティアン・モンテス(Christian Montès) 地理学者。リヨン第2大学教授。UMR 5600 EVS(環境、都市、社会にかんする各分野最高レベルの 研究者組織)ならびにLabex IMU(都市社会のインテリジェンスにかんする最高研究所)の研究者。 専門はアメリカの公共スペースと縦割型都市。2014年、『アメリカの州の都市─地理で見る歴史』 をシカゴ大学プレスから出版。 パスカル・ネデレク(Pascale Nédélec) 地理学の教授資格者で博士。都会と社会の地理学を研究。専門はアメリカの都市で、博士論文のテー マはラスヴェガス大都市圏(レンヌ大学出版から出版予定)。 現在、エコール・ノルマル・シュペリ ウールで教鞭をとる。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) モンテス,クリスティアン 地理学者。リヨン第2大学教授。UMR 5600 EVS(環境、都市、社会にかんする各分野最高レベルの研究者組織)ならびにLabex IMU(都市社会のインテリジェンスにかんする最高研究所)の研究者。専門はアメリカの公共スペースと縦割型都市 ネデレク,パスカル 地理学の教授資格者で博士。都会と社会の地理学を研究。専門はアメリカの都市で、博士論文のテーマはラスヴェガス大都市圏(レンヌ大学出版から出版予定)。現在、エコール・ノルマル・シュペリウールで教鞭をとる 鳥取/絹子 翻訳家、ジャーナリスト シュス,シリル フリーのカルトグラファー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
地図で見るアメリカハンドブックの詳細
本のタイトル : 地図で見るアメリカハンドブック
作者 : クリスティアン・モンテス
ISBN-10 : 4562055642
発売日 : 2018/8/24
カテゴリ : 本
ファイル名 : 地図で見るアメリカハンドブック.pdf
ファイルサイズ : 24.05 (現在のサーバー速度は20.3 Mbpsです
以下は 地図で見るアメリカハンドブック の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
原書房の「地図で見る○○」のシリーズに接するのは、この「アメリカ」編で7冊目。このシリーズはそれぞれが個性的な魅力を持った良書だが、「アメリカ」編はその中でも私にとっては白眉と思える素晴らしく、面白い1冊だった。「地図で見る○○」シリーズはいずれもフランスの原著からの翻訳ものだが、他の巻と同様、ある意味フランス人らしいシニカルな薫り、一種オタク的とも言える独自のこだわりが全編に溢れていて、日本人が書く「アメリカ論」とは全く違う味わいがある。本書を読んでいて、つい、経済学者の浜矩子氏が著書の中でアメリカについて触れていたコトバを思い出した。以下に引用する。「パクス・ブリタニカもパクス・ロマーナも長いプロセスの中で覇権を集約してきたのですが、歴史的に類例のない破壊力を持った戦争の結果として、準備不足の若手(レビュアー注:アメリカの事)がナンバーワンの座に躍り出てしまった」「パクス・アメリカーナは一種の事故のようにアメリカに降りかかってきた役割だと思うんですね」(「大メディアの報道では絶対にわからない どアホノミクスの正体」講談社/2016年/P.62)今日の世界において、圧倒的な国力を持つ「超大国」でありながら、覇権を握る存在としてはあまりにいびつで、粗削りで、「お子様」である「不思議で危うい国」アメリカ(その「危うさ」をトランプ政権誕生以降全く隠さなくなった事で、同盟国を含む多くの国が大迷惑を被っている訳だが)の「弱点」を浜氏は実に的確・辛辣に表現していると思うが、本書の内容は、アメリカという国の底知れぬパワーと、その内部に抱えた危うさの双方を、実に適切にわかりやすくとらえている。巻頭で著者が発している、「わたしたちが(この本で)提示するアメリカとアメリカ人のポートレートは、独立以来の国の象徴である独創的な楽天主義と同時に、この国につきまとうさまざまな緊張をできるかぎり要約したもので、豊かでありながら根底からつきくずされそうな、まさに『見かけ倒しの巨人』のようなのである」(P.9)というコトバには、本書を一通り読んだ後に改めて接すると、「なるほどね~」と感服させられる。書中でとりあげられているテーマの数々は、多彩な切り口かつ考え抜かれたものばかりで、章を追うごとに新たな発見があり、読み始めると止まらなくなる。その全てを詳述する事は、スペースが幾らあっても足りなくなるので遠慮するが、とにかくこの国に関心のある読者には手に取ってもらいたい1冊だ。一部だけ個人的に特に印象に残ったものをピックアップすると、まず「移民政策」に触れた章に掲載の、「グリーンカードの応募者、当選者の多い国トップ10」のグラフ(P.52)。意外な国ばかりが上位を占めているのに驚く。「水源」を巡る問題の難しさ(P.72~)、過剰か欠乏かという両極端な「食生活」(P.88~)、貧困と不平等(P.96~)、大量殺戮が続いても全く変わらぬ「銃社会」(P.120~)、分断する世論(P.124~)等々も、今日のアメリカをとらえる上で誠に興味深い。巻末で著者は、この国が昔も今も「アメリカ・ファースト」に走る深層の部分は西部開拓時代のあの「マニフェスト・デスティニー」に象徴される「アメリカ例外主義」理論に強く影響されている、と指摘した上で、こう本書を結んでいる。「アメリカの独自性は、魅惑をふりまきながらも反面教師のモデルにもなる、夢と悪夢のあいだにあるあいまいさにあるといえるだろう。」(P.166)全くその通りと言う他ない。体力は並外れているが、「人格」は未成熟という、困った覇権国家アメリカをどう理解し、どのように彼らと対峙すべきなのかを考える上で、とても刺激になる秀逸な書である。
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