サブスクリプション実践ガイド――安定収益を生み出すビジネスモデルのつくり方

サブスクリプション実践ガイド――安定収益を生み出すビジネスモデルのつくり方の詳細

本書を読む上でのポイントは３つ。・サブスクリプションというビジネスモデルの性質・KPIと損益分岐点の把握・継続してもらうための顧客価値１つ目の「サブスクリプションというビジネスモデルの性質」だが、サブスクリプションというキーワードは単純なバズワードではない事が理解出来た。従来のビジネスとして、世の中に根強く広がっている昔からある、商いの発展形であることがよく分かる。現代ではインターネットが普及し、商品がありふれ情報過多となっているがサブスクリプションというビジネスモデルの性質を理解し、ビジネスに取り入れることで新しい価値を生むことが出来る。本書は、そのビジネスモデルの性質をパターンを通じ、とても理解しやすい言葉で説明してくれている。２つ目の「KPIと損益分岐点の把握」は、サブスクリプションモデル自体は、フロー型のビジネスモデルと違い、ドカンと売上をあげるような手法はない。だからこそ、じっくりと戦略を練り上げ、赤字を掘りながら着実にビジネスを進めていかなければならない。赤字を掘ることは大変精神的な負担を強いるが本書に書かれていることは未来を教えてくれるため、正しいビジネスを進め方を示唆してくれている。赤字のために精神的なダメージで心身ともに削り取られることなく必要なことは正しく行うべきであると自信をもてるであろう。本書を手にとることで明確なKPIや損益分岐点を理解し、トンネルの先は明るいということを理解しながらビジネスが出来ると思う。３つ目の「継続してもらうための顧客価値」は、はっとさせられた。サブスクリプションビジネスのストック型収益という事にあぐらをかくことが最大の敗因になることが理解できた。サブスクリプションビジネスだからこそ、継続してもらうためには、支払う対価に比べ、価値が高いという当たり前の事が必要。サブスクリプションのビジネスモデルは顧客を獲得した後が本当の意味での本番であることがよく分かる。物販であろうが、デジタルコンテンツであろうが、SaaSであろうが、サブスクリプションモデルは、顧客との向き合い方がすべて。そこにかける労力であったり、投資であったりを惜しむ位ならビジネスをやらない方がましである。情報や商品がありふれる世の中であればあるほど、機能的な価値よりもさのサイトを利用（買う）する、さらに発展しサイトを通して、○○さんから利用（買う）すると感情的価値を生むことが大事だし無機質なインターネットの世界から、一生懸命対応してくれている対面の人のアナログな息遣いまでを感じられるような価値が支持される秘訣であると感じた。本書は、実践ガイドとあるようにビジネスモデルの解説から事例紹介。プランニングから基本設計、KPIの見方から実際の企業の成功の秘訣までリアルに紹介されている。ただ、ひたすらにサブスクリプションのビジネスとの出会いに感謝し、その素晴らしさを世の中に紹介したいという著者の気持ちが伝わってくる、良い本でした。 この１冊を読んで、昔からある新聞配達やヤクルトレディなど、商いの本質だなと改めて感じた今日このごろです。起業を考えている人、今のビジネスで行き詰まっている人におすすめの１冊です。