憂鬱な朝 2 初回限定版 (キャラコミックス)

憂鬱な朝 2 初回限定版 (キャラコミックス)の詳細

第一巻は物語の助走という感じで、これからの展開が面白くなるぞというところで終わりました。当初、気に入るかどうかわからなくて一巻のみを購入しましたが、一巻を読み終えてやはり続きが気になったので、すぐさま続きを購入。想像通り、この第二巻から、物語はやはり熱を帯び始めました。第二巻の見所は、やはり桂木の動揺です。初めは暁人の想いが鬱陶しいという感じで、体を交わす関係も望まない様子だった桂木ですが、暁人と情を交わすうちに心に変化が現れたのか、あるいは自分の想いに気づかされたのか、暁人のことが気になりはじめます。石崎に暁人の気持ちを利用していると言われて怒鳴る桂木、雨宮の言葉に暁人を侮辱するなと拳をたたきつける桂木、そして夜会で暁人の婚約話になって、なぜか心が動揺してしまう桂木、そんな桂木の姿には暁人への恋情がうかがわれ、その想いに戸惑っている様が切ないです。そして夜会のあと、暁人の熱い想いに乱れ、全身で求められた桂木は、翌朝家令の勤めを果たさなければならないのに、頭の痛さに苦しみ、そして想いに痛みを覚えるのです。この桂木の怯え、これがたまりませんね。おそらく色んな感情は排除して、冷徹に生きることで自分を保っていたはずですから、一時の感情に流されるなんてありえないのだろうし、そんなものは邪魔でしかないと思い込んでいるんでしょう。そんな氷のような桂木の心が、暁人の真っ直ぐな愛情で溶けていくことを今後期待しています。やはりこの物語の舞台設定、素晴らしいです。第一巻の下地が大切だったんだなと、改めて感じました。