数理科学 2017年 04 月号 [雑誌]
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数理科学 2017年 04 月号 [雑誌]の詳細
本のタイトル : 数理科学 2017年 04 月号 [雑誌]
発売日 : 2017/3/18
カテゴリ : 本
ファイル名 : 数理科学-2017年-04-月号-雑誌.pdf
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特に7ページから14ページのイラストと入りの7ページで概観できたのは最高に良かった。「線形代数,微積分から関数解析へ」 堀内利郎、線形代数学のベクトル空間上の諸概念はヒルベルト空間上に拡張されてはじめてその真価を発揮する。ヒルベルト空間とはコーシー列が収束する完備な内積空間である。有限次元ベクトル空間上の線形写像(作用素)=行列(固有値:固有ベクトル:重複度)がヒルベルト空間上の自己共役作用素(エルミート行列)に拡張され、その固有値は実数である。ヒルベルト空間上の自己共役作用素の相異なる固有値に対する固有関数は直交する。線形空間に位相を導入する理由は、連続性の議論(収束の概念)を行いたいからで、特にBanach空間やHilbert空間のような無限次元空間において必要不可欠だからである。加法と乗法(和とスカラ倍)という二つの算法の代数的構造に解析的(距離と収束の位相)概念を導入して考察するのが関数解析といえる。ノルムを使って位相的諸概念(点列の収束、極限、閉集合、開集合)を議論する。2次元平面や3次元空間のベクトルの長さを抽象化して多次元でも議論できるようにノルムの概念が生まれた。ノルム空間というだけでは、解析学の基本である極限操作はできないので、空間がその操作に閉じている必要がある、これが完備性(コーシー列が収束)という性質で、それを満たすベクトル空間をBanach空間という。そのなかでも、内積が誘導されノルムを持つのがHilbert空間である。あらためて内積が定義されているベクトル空間を内積空間(または計量ベクトル空間)という。内積空間では正規直交基底やシュミットの正規直交化法など直交補空間、直和分解など論じられる。距離の概念を入れることによってはじめて2点の距離を測る数直線や実数列でやった収束の位相的解析的概念を論じることができる。無限次元と有限次元とでヒルベルト空間の違いは?後者では有界閉集合でコンパクト(有界列が強収束部分列を含む)のに対して前者は弱コンパクトにしかならない。強位相と強収束はノルム空間で、通常の実数の位相や収束と同じ議論がされる。ヒルベルト空間が有限次元のとき、線形写像(作用素)は行列で表現できる。この考えを用いヒルベルト空間上の線形作用素を考察する。行列には固有値・固有ベクトルを考える事ができた。この事実をヒルベルト空間上の自己共役作用素(エルミート行列)にも拡張される。そこでは相異なる固有値に対する固有関数は互いに直交する。これがコンパクト作用素のスペクトル分解定理という。スペクトルとは「固有値全体の集合」という意味の言葉です。直交に関連してルジャンドル多項式:ベッセルの不等式:パーセバルの等式が登場する。関数解析学は無限と連続性が議論される微分積分学(変分学)として発展。
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