宇宙船とカヌー (ちくま文庫)
によって ケネス ブラウワー
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宇宙船とカヌー (ちくま文庫)本無料ダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより)父の夢は、宇宙を駆ける巨大な宇宙船を造ること。息子の夢は、海を走る巨大なカヌーを造ること―父ダイソンは、「スペース・コロニー計画」に参加した世界的物理学者。息子は、17歳で家を飛び出し、カナダ沿岸の樹上の小屋で一人暮らすエコロジスト。―決して相合うことのない二人の生き方を、淡々と重ね合わせつつ描いて、現代そのものがもつ多様性を浮き彫りにしたユニークな評伝。
宇宙船とカヌー (ちくま文庫)の詳細
本のタイトル : 宇宙船とカヌー (ちくま文庫)
作者 : ケネス ブラウワー
ISBN-10 : 4480022368
発売日 : 1988/06
カテゴリ : 本
ファイル名 : 宇宙船とカヌー-ちくま文庫.pdf
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物理学者の父フリーマン・ダイソンと、カヌービルダーの息子ジョージ・ダイソン、二人の親子が主人公の物語。互いの職業は全く正反対のように見えるが、父であるフリーマンは水素爆弾を推進力とした、巨大宇宙船建造プロジェクト「オリオン」の中心メンバーで、人をフロンティアへ誘う乗り物を創造する、という点ではどこか共通している。作品は父フリーマンと息子ジョージのエピソードが交互に書かれ、年代の違う伝記を別々に読んでいるようだが、不思議と心地よいリズムで進んでゆく。時折ジョージの章に現れる、アラスカやカナダの風景や生き物の描写がとても美しく、穏やかな海へ一緒にカヌーで漕ぎ出したい気持ちになった。父フリーマンが参加したオリオン計画は、核実験廃止など社会情勢の変遷により、アポロ計画の後塵を拝する事となった。一方息子ジョージは流浪の生活を送りながら、先住民アリュート族の製法を独学で習得し、3人乗りの「バイダルカ号」、そして6人乗り巨大カヌー「マウント・フェアウェザー号」を造り上げる。終盤で親子が久々に再開する場面では、ぎごちなく距離感を保ちながらも、互いのことを気遣う二人が羨ましく思えた。久しぶりに父フリーマンが見た、大自然の中で暮らす息子ジョージの姿は、陽の光を受けた太平洋の水面のように、眩しく輝いていたのかもしれない。
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